杉本貞光作　 「伊賀破れ袋水指」 高さ17㎝　口径18㎝　底18㎝ 四桟の共箱(桐の柾目)付き 共布、陶歴付き 陶印「さ」 •箱蓋の表面と裏面 　表面に立花大亀老師が伊賀　 　の水指で杉本貞光造と認定 　して箱書きし、裏面に紫野 　に住む大亀と書き、花押の 　サインをしている真筆です •箱裏面 　裏面に杉本貞光自身が「信　 　楽」と箱書きしているは、 　作品の見立に関わらず土の 　種類で書いているからです 　これはお茶の世界での約束 　ごとです。 　なお箱書きをする場所もお 　茶の世界には約束ごとがあ 　ります。貞光はこのこの約 　束ごとをしっかり守り底に 　サインしています。 　この水指がお茶席に出され 　ることを予定してかのよう 　に思われます。 •陶印「さ」 　杉本貞光の初期の作品には「サ」が多く、中期の作品に 　は「さ」が描かれ、最近の 　ものは「△」と書かれてい 　る。そして大衆的な窯もの 　には「艹」とすることが多 　い。 この水指は杉本貞光独自の感性と美意識による「破袋」です。伊賀焼の高温の窯の中で激しい炎に煽られ底部にひび割れを生じながらも破損することなくその形態を維持し、まさに伊賀焼独特の破袋に変容しています。ひび割れ箇所には溶けた降灰がビードロ釉となって流れ込み自然補修されているので水漏れの心配はありません。 なお本作品は、杉本貞光氏本人の作であることを確認しております。 上記の記載はその際お伺いしたものですので安心してご検討ください。